たちかわ妖怪盆踊り
暑い夏が通り過ぎ、秋の心地良い風を感じられる今日この頃。
妖怪たちが集まる賑やかなお祭りによって、東京の立川がジャックされていたのをあなたはご存知だろうか。
2023年10月7日（土）〜9日（月・祝）連休の3日間、東京都立川市のGREEN SPRINGS 2階広場にて「たちかわ妖怪盆踊り2023」が開催された。
日本古来より伝えられている「妖怪」に扮し盆踊りを踊る「妖怪盆踊り」。
生演奏にこだわった盆踊り、豪華メンバーによって行われたアーティストライブ、DJパフォーマンス、妖怪コンテスト、お祭り屋台など、他にない盆踊りイベントを楽しむことができる。
また、有料の特設エリアではドレスコードもあり、参加者は思い思いの妖怪に扮し参加していた。
会場全体を見渡しても妖怪に扮した参加者が多く見られた
今回、マダミスTIMESが取り上げるのは、今回のイベントの中でも事件現場が印象的で、他とは違う空気を感じることができる「マーダーミステリーzone」だ。
「マーダーミステリーzone」とは
「マーダーミステリーzone」では、たちかわ妖怪盆踊りオリジナルストーリー「周遊型ミステリーゲーム」が2本登場。さらに、話題作の「現場検証ゲーム」を遊ぶことができ、マーダーミステリーの要素の入った謎解きゲームたちも楽しむことができる。
また、物販コーナーでは数々のマーダーミステリーのパッケージ商品を購入することが可能だ。
今回、私たちはここでしか遊ぶことのできない「周遊型ミステリーゲーム」2本と、「現場検証ゲーム」の計3本を体験してきた。その体験内容について、簡単にレポートさせていただこうと思う。
「マーダーミステリーzone」体験レポート
今回体験した作品は以下の三作品だ。
周遊型ミステリーA「周遊型ミステリーゲーム 君と僕の妖怪試験」
制作：マダミスHOUSE／木皿儀隼一(ワンドロー)／シン太郎／かずきち(ミステリーケーキ)
周遊型ミステリーB「周遊型ミステリーゲーム 黄昏の探しモノ」
企画：ジョルディーノ
シナリオ：ジョルディーノ、GoldGrace
イラスト：あまや あめ
現場検証ゲーム「湯けむり旅館殺人事件」
現場検証ゲーム制作：ジョルディーノ、世界のうーべー
体験レポートその1 現場検証ゲーム「湯けむり旅館殺人事件」
まず初めに、私たちが体験したのは現場検証ゲーム「湯けむり旅館殺人事件」だ。
このゲームは一人から参加することができ、キットを購入しスタートする。
導入の説明を受け、動画を視聴後、現場検証開始。
現場検証が終わったらいよいよ事件の真相究明へ。
所要時間は60分ほどだった。
事件現場を模した空間を調査した後、事件の調査資料とLINEを駆使してこの事件の犯人を暴き出す。
実際に自分が事件現場に立ち会っているかのような気分にさせてくれる現場検証は、独特の雰囲気がありわくわくさせてくれる。
事件の全容を解明するパートは、調査内容から推理を空欄に当て嵌めていく穴埋め問題形式で、老若男女も謎解き初心者も玄人も楽しめる設計になっていた。
友人や家族で参加しそれぞれで回答を入力する個人戦もできるが、筆者は二人協力プレイで挑戦。楽しみ方も様々な「事件」だった。
体験レポートその2 周遊型ミステリーB「黄昏の探しモノ」
2つめに体験したのは、周遊型ミステリー「黄昏の探しモノ」。
2人で遊ぶことができるゲームで、こちらは2,000円を支払ってスタート。
裏にはLINEのQRコードがついており、LINEを使って物語が展開される
所要時間はこちらも60分ほど。
2人の男女の主人公をそれぞれのプレイヤーが演じながら、読み合わせを行ったり、場所を移動しながら真相に迫っていく。
会場の世界観をうまく使った、ここでしか遊べないエモーショナルな物語体験を楽しむことができた。
より詳しく参加レビューを書きたかったが、マーダーミステリー要素が強めな作品のため、レビューはここまでに留めたい。
体験レポートその3 周遊型ミステリーA「君と僕の妖怪試験」
3つめに体験したのは、周遊型ミステリー「君と僕の妖怪試験」。
こちらも2人で遊ぶことができるゲームで、2,000円を支払ってスタート。
首からかけることのできるタイプのキットをもらい、進めていく。
こちらもLINEを使用して遊んでいく。
プレイヤーは2人の男子中学生の主人公を演じながら、妖怪たちの世界で行われる「妖怪試験」に挑むこととなる。
この謎を解くには会場内を実際に歩き回る必要がある。イベント限定のテントやキッチンカーなどを見て回るだけでなく、GREEN SPRINGSの設備や店舗もヒントにしながら試験をクリアしていくため、今回の「妖怪盆踊り」だけでなくとも遊びに来たいと思わせてくれるような一作になっていた。
筆者たちは会場内を歩き回ったことにより、多くのキッチンカーの誘惑に負けてしまい、タイムロス。
誘惑に負けなければ、所要時間は60分ほど。
妖怪の世界に迷い込み、試験をクリアしていく快感と物語を味わうことができた。
以上が今回のレポートとなる。続いて、運営をされている方に協力していただいたインタビュー内容について紹介させていただこうと思う。
「マーダーミステリーzone」運営者インタビュー
「マーダーミステリーzone」はスチームパンク&マーダーミステリーBar GOAT、マダミスHOUSEとジョルディーノが共同運営をしているが、今回は代表として、取りまとめをしているBar GOATの松川さんに取材をさせていただいた。
スチームパンク&マーダーミステリーBar GOATとは？
Bar GOATは通常、夜の18時からスチームパンク＆マーダーミステリーバーとして営業しています。土日の昼にはマダミス公演が行われ、公演終了後にはバー営業に切り替わります。参加者は紅茶などのドリンクを飲み放題で楽しむことができ、ゲーム中にアルコールを追加することも可能です。
松川さんがお店でマダミスを取り扱うようになった背景には、コロナ渦によるお酒を楽しむ環境の変化がある。この変化に対応し、お店にオリジナリティのある要素を導入しようと考え、マダミスと出会ったと語っている。
松川さんは元々ボードゲームのファンだが、ボードゲームは勝者と敗者が決まりがちで、バーの雰囲気と合わないと感じてた。しかし、マダミスは勝敗にこだわらず、誰もが初めてのシナリオに挑戦するため、コミュニケーションを楽しむことに合うと考え、新しいコミュニケーションツールとして導入することになったとのことだ。
たちかわ妖怪盆踊り「マーダーミステリーzone」開催の背景
たちかわ妖怪盆踊りで「マーダーミステリーzone」を開催することになった背景には、主催者から「参加者がもっと楽しめるイベントが欲しい」という要望があったことが挙げられます。
これに応える形で、マダミスHOUSEとジョルディーノの協力を得て周遊型マダミスのイベントを開催することになりました。
物販については、グループSNEとウズに直接打診して、パッケージを取り扱う許可を得ました。
「マーダーミステリーzone」に来るお客様は、謎解きに興味のある親子連れが多く、年齢層は小学生から中学生ぐらいの層。また、ほとんどの参加者がマダミスを知らない初心者で、経験者はごくわずかであったとのこと。
元々、たちかわ妖怪盆踊りは、音楽がメインのイベントであり、今回の出店は音楽ファンとマダミスファンが交流する社会実験的な新しい試みとなったそうだ。
今後の展望
今後のマーダーミステリーの広がりについて、ゲームマーケットやマダミスフェスなどといったイベントだけではなく、アナログゲームがメインとなる以外のイベントを視野に入れています。マーダーミステリーの性質的に、大型イベントでは体験感が変わってしまいますが、現場検証ゲームや周遊型の形式なら、多くの人に楽しんでもらえると考えています。
松川さんはこれらを入り口にマーダーミステリーを広げていきたいと熱く語ってくれた。
今回のイベントは終了してしまったが、マーダーミステリーを知らない人にも知ってもらうため、業界にとって大きな布石となったと言えるだろう。
ぜひ来年も開催されたら、足を運んでみてほしい。
【記事関連リンク】
「君と僕の妖怪試験」と同じスタッフが制作する
池袋ミステリータウンで体験可能
「警視庁刑事部超能力犯罪課 サイ課アロー連続殺人事件」
「マーダーミステリーzone」運営店舗
スチームパンク&マーダーミステリー Bar GOAT
ジョルディーノ
マダミスHOUSE
WEB：https://werewolf-house.com/murder-mystery
今回のレポートしたイベント
たちかわ妖怪盆踊り
マーダーミステリーzone
