【DAY2】ゲームマーケット2023秋 マダミス関連ブースに突撃調査!

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お初にお目にかかります。さばいもと申します。

前回に引き続き、今回は2023年12月9日(土)~10日(日)にかけて東京ビックサイトで開催された「ゲームマーケット2023秋」での取材記事となります。

▽下記は1日目の記事

この記事では12月10日(日)に突撃取材をしてきた内容となります!ぜひご覧ください。


マーダーミステリーブース
Studio OZON / 久保よしや

《紹介》
マーダーミステリーの会社StudioOZON代表、制作と監修を行っている。 StudioOZONはマーダーミステリー制作会社であり、ゲームマーケットのマーダーミステリーブースの運営やイベントの運営、作品の制作なども行っている。

今回は特設ブースでの出展という主催側により近い形での開催だったため出展方法は大きく変わりましたね。
また、前回までのゲームマーケットではコロナの影響で全盛期より客数は少なく感じたものの、今回はコロナ明けから確実に客数も出店数も増えているように思いました。

△当日のブースの様子

客単価自体に変化はないものの、客数が圧倒的に増えているように感じました。1日目、2日目とを比べても人の流れに変化はなく、初心者さんや「マーダーミステリー」という言葉に興味を持っていただいた方も多く、初心者用のものや既存の作品が売れているように感じました。

今年から始まった『マーダーミステリーフェス』というコアな人達向けのフェスの開催であったり、あとはBOOTHといったオンラインでの販売も行っています。合わせて、店舗さんやヨドバシカメラさんなどの量販店さんへの流通も整えている最中ですので、今後はそちらでのご購入いただけると思います。

マーダーミステリーというものは派生したジャンルも生まれているかなと思っていて、「イマシブマーダーミステリー」や、あるいは私が提唱している「ストーリープレイング」といった、推理などではなく会話を楽しんでいただくようなコンテンツであったり、「LARP」「リアル脱出ゲーム」「人狼」のコンテンツが複合的に作られています。そういったクリエイティブの広がりのようなものに注力しており、今後も応援していきたいと思っています。

他にもマダミスではGM(ゲームマスター)といった司会進行役の存在も大きいと思っています。GMが活躍できる場所として『マダミスギルド』というものを作っているのですが、ここでGMとしてのノウハウの構築や伝搬を行っていきたいと考えています。

また、今は少人数で遊ぶことが多いですが、10人や30人といったホールやイベントでできるいわゆる多人数型のものを作りたいです。

売上高でいうと高単価の商品もいっぱい出ており、点数と売り上げが伸びる傾向にあります。

Top5(12月10日 12時17分時点)でいうと1位『裸足のサンドリオン』、2位『殺意はカクテルに映る』、3位『ミステリージャム vol.3』、4位『PAANNNIIICCC!!!』、5位『銀の瞳の君を求めて』、6位『魔法使いと眠りの森』となっています。

ストーリープレイングなどのマーダーミステリーを付帯するジャンルが上の順位に来ていると思いますね。同人さんも頑張ってくださっていて同人と企業の境目が分からないくらいにデザインや内容がしっかりしていると思います。

個人的に売れて欲しかったり、プッシュしたいものは『猟奇はカクテルに滲む』、『軌跡はバイオレットに染まる』といったおしゃれなタイトルと見栄えのいいコンポーネント、それでいて高単価で体験価値も面白いといったことから、これらの作品が今回の私の押しですね。

あとは、『虚飾で彩られたカラス』から始まるオートマチックミステリーの新作『カメレオンは嘘をつけない』という作品は小説的、情緒的な表現が使われており、ストーリーの読後感が設計されているため、楽しんでいただければと思います。

黒革の手帳はもう語らない』は1人用の推理ゲームで、奥行きがあり1000円(イベント価格)とリーズナブルなのでおすすめです。

マーダーミステリーに飽き始めていたり、飽きている方にお伝えします。私自身もプレイヤーとして製作者としてマーダーミステリーというコンテンツに少し飽きています。これは2年ぐらい続いているものですが、作品の中でも驚きのあるものや新しい車輪の再開発が行われているものはこれから出てくると思います。ここに、期待してほしいです。マーダーミステリーが一般化することによってインプレッションや口コミが伸びなくなると思います。カラオケに行ったことをわざわざ話さないのと同じになるのも近いと思います。逆にいうとその中で良い作品や新しい作品を見つけられるのも飽きてきた私たちだと思います。なので、後方腕組み彼氏面をせずに一緒に探していけるとうれしく思います。

△インタビューさせていただいた久保よしや氏

Studio OZON のX(旧:Twitter) https://twitter.com/ozon_jp
Studio OZON のホームぺージ  https://ozon.jp/


グループSNE / 黒田 尚吾 氏

《紹介》
マーダーミステリーに全面注力。SNEのゲーム動画『わんぱくゲームラボ』の企画主導兼博士役。ボードゲーム『そういうお前はどうなんだ』を制作。 グループSNEは神戸を拠点に活動するゲームデザイナー・作家集団であり、数多くのパッケージマダミスを販売している。

△当日のブースの様子

1日目は最初から最後までお客さんが途切れずに来ていただきました。弊社ではボードゲームの他にもマーダーミステリーやミステリーゲームに力を入れているのですが、回を重ねるごとにそれを求めるお客様は増えています
それと、マーダーミステリーブースの売れ行きも好調でありがたいように感じています。

僕たちの作った『MYSTERY PARTY IN THE BOX』シリーズの作品が出てから4年近く、マーダーミステリー業界も同じくらい経っていて、マーダーミステリーというものから枝葉のようにそれを元にしたゲームも出てきている時期だと思うんです
例えば、『そういうお前はどうなんだ』というゲームや、『卓上探偵団』シリーズといったNPC内に犯人がいる完全協力型ミステリーゲームなどもマーダーミステリーを追いこす勢いで売れてます。
僕らはミステリーに対していろんな可能性を感じていまして、そういった形で、ユーザーさんやファンの方々には面白いものをお伝えできればと思います。

最近ですと家電量販店さんのおもちゃコーナー、専門店のイエローサブマリンさん、Amazonさん、楽天さんのネットショッピングでも購入可能です。他にもイベントでは先行販売を行っていたりもします。

ミステリーにフォーカスした『卓上探偵団』シリーズです。厳密にはマーダーミステリーではないんですが、マーダーミステリーが好きだけど犯人が苦手な人も気分を味わえるというところで人気です。僕個人も好きなので、押していきたいですね。もちろん、『そういうお前はどうなんだ』というパーティーゲームも面白いです。他のミステリーゲームは一度しか遊べないんですが、これはわちゃわちゃするのでお勧めです。

社内でも議題に上がりますし、そういう時期が来たらチャレンジしたいとは思っているんですが、公演、オンライン、パッケージの3つの柱でマーダーミステリー業界は回っていると思っています。その中で、全部中途半端にするよりも僕たちは元々ボードゲームの会社なので、パッケージに特化してパッケージだからこそできることを大事にしたいです。もちろん、絶対にオンラインに行かないということや公演をやらないということではないです。

業界が発足してまあまあ時間が経って、何百とプレイしている方もいるじゃないですか。いろんなマーダーミステリーの考え方があって、みんなが美学を持ち始める頃だと思うんです。うちは神戸にあるのでいわゆるガラパゴス的な会社だと思っているんです。なので、合う作品、合わない作品あると思うんですが、できるだけ多くの人に楽しんでいただける努力はします。文化としてマーダーミステリーを広げていきたいので、温かい目で業界を見ていただければと思います。楽しんでいきましょう。

△インタビューさせていただいた黒田 尚吾氏

グループSNE のX(旧:Twitter) https://twitter.com/GroupSNE
グループSNE のホームぺージ  http://www.groupsne.co.jp/


THE NAZO STORE ナゾストア
店長 吉野 禎央 氏

《紹介》
株式会社BOUKEN WORKSの代表取締役 / 地域の魅力を遊びで伝える、周遊企画会社を経営している。 THE NAZO STORE | ナゾストア は 「物語を楽しむ謎解きキット」のオンラインショップ。

△当日のブースの様子

1日目の人が多く、2日目にだいぶ人の流れが緩やかになったと思います。今まではもう少し1日目、2日目の差異が少ないイメージがありました。

やりたかったから作ってみた感じですね。結構、そういう視点で作ることが多くて。最近だと謎解きの缶バッチを販売しているんですが、そういうのも自分たちでやりたいと思ったからです。あとは、作れる人がそろったタイミングですね。

ナゾストア」と検索していただくと出てくるサイトから通販で購入可能です。

新作の『殺意はカクテルに映る』が一番売れています。やはり、新作は売れます。

値段が高いのはそれだけ詰まっているからですね。スタンダードな作品は他社さんが既にやられているので、僕たちはあくまでマーダーミステリーに謎を付けてより面白くするということに重きを置いてます。それ以外にも、パッケージにこだわっています。今回のものは特色という少し高い印刷方法であったり、前回であれば箔押しという印刷方法を使っています。他社さんとは違う形にもしています。ナゾストア商品全般に言えますがデザインにはこだわって作っています。

今のところは考えていないですね。あくまで、パッケージとして販売していくつもりです。

新作の『殺意はカクテルに映る』も非常に面白い作品に仕上がっていますので、やってみてください。あとは、GMもできるようになっていますので、ぜひやっていただければと思います。

△インタビューさせていただいた吉野 禎央氏

THE NAZO STORE ナゾストア のX(旧:Twitter) https://twitter.com/THE_NAZO_STORE
THE NAZO STORE ナゾストア のホームぺージ  https://the-nazo-store.com/


タンブルウィード / 斉藤 敦 氏

《紹介》
タンブルウィードを展開する(株)グリーンダイス代表取締役。 タンブルウィードは『ナゾトキ』と『体験』を世界に仕掛けるレーベル。

△当日のブースの様子

とにかく土曜日の人が多くて、僕たちはコロナ禍も乗り切ってきたので非常に盛り上がってきてうれしい限りです。

個人的にも参加したことがありますし、そもそも体験型のゲームが好きだったのと、社内の話し合いの中で作りたいという者もいたので、やってみなさいというところです。高級なマーダーミステリーということで時間をかけて、ゲームマーケット毎に1作出せればいいかなという感じです。大きなくくりでエンタメの1つとして、我々は謎解きだけでなく面白ければ良いという主義なので作っているという形です。

パッケージ版のリアル公演は1回やったんですが、現状はまだパッケージ版のみですね。公演だと人数がそろわなかったときのキャンセルや、そもそも作品本数がそろっていないので難しそうだという試算が出ました。そのため、とりあえずはパッケージを中心として、たまにプレミアム公演としてパッケージ作品を弊社のGMが行う会は催そうかと思っています。

自社の「タンブルウィードナゾトキショップ」というところで売っております。また、今回から流通できるようにJANコードを入れたものを用意したので、希望があれば卸していくという感じですね。ただ、実は原価がかかっており、卸すと厳しいところもあるので現状は自社ショップのみです。今後、広めていければと思っています。

ぜひ、キャラクターに全力でなりきっていただいて、楽しんでいただければ嬉しいです。楽しんでいただかないと、僕らは作れないので喧嘩にならない程度に楽しんでください。

△インタビューさせていただいた斉藤 敦氏

タンブルウィード のX(旧:Twitter) https://twitter.com/tumbleweedjp
タンブルウィード のホームぺージ  https://www.tumbleweed.jp/


カドアナ(株式会社KADOKAWA) / 貞松 佳太 氏

《紹介》
株式会社KADOKAWAのゲーム・企画書籍部。カドアナはKADOKAWAが販売・運営する新しいアナログゲームブランドであり、カードゲーム、ボードゲーム、マーダーミステリーなど様々なアナログゲームのジャンルを問わず多数取り揃えている。

△当日のブースの様子

やっぱり、コアなお客さんも多いんですが、今回は一般のお客さんがすごく多く増えたなという印象ですね。認知度がだんだん広がってきた感じがします。

出版社の利点を生かし、書店流通をさせているので全国の書店で買えます。ボードゲームショップでも一部卸しているのでそちらでも購入可能です。もちろん、Amazonでも購入できます。

△一部の商品画像

8月に発売した、最新作の『探偵禁止領域』の評価が非常に高く、プレイされた方からはありがたいことに「今年1番の作品かも」なんて声もいただいています。
かなり上級者向けの作品ではあるんですが、逆にこの作品が人気ということは界隈も成熟してきた印象があります。

ゲームマーケット2日目は、『八月のタイムマシン』が結構売れてます。あとは、ホラーものの『焚家』もシリーズ第一弾ということで好評です。でもやはり反響が大きいのは『探偵禁止領域』ですね。GMレスでもプレイ可能なのですが、ユーザーからはGMがいないとプレイするのが難しいというご意見も多かったです。GMがいた方がより安全に楽しめる作品です。

難しいかもしれないんですが、データ版としてダウンロードしてインターネットツールを使用してオンライン上でプレイできたらいいなとは考えています。また、イベントなどの体験型のコンテンツにできないかとも考えています。ただ、パッケージ版ならではの作品もあるのでデジタルにする際の課題にはなると思います。

現状は4作品+別シリーズとして1作品出している状況でして。実は今、認知度が足りないところがありまして。KADOKAWAで出しているということを知らないファンの方も多く、もう少し認知度を上げつつ新しい作品を出せたらと思っています。

多くのマダミス作品の中でも、特にイラストなどのビジュアルにだいぶこだわっていまして、プレイする際の没入感を楽しんでもらいつつ、ギミックなども体験していただきたいです。そして、楽しいマーダーミステリー体験を提供できればと思っています。

△インタビューさせていただいた貞松 佳太氏

カドアナ のX(旧:Twitter) https://twitter.com/kado_ana
カドアナ のホームぺージ  https://tabletopgame.kadokawa.co.jp/


Mystery Knives / 田中 佳祐 氏

《紹介》
ライター、本やボードゲームの制作を行っている。代表作は「Motel Nobody」「アメリカンブックショップ」など。 Mystery Knivesはマーダーミステリー制作サークル。

△当日のブースの様子

今回も多くのお客さんが来たり、海外からの友人も訪ねてきてくれたりと活気があってよいかなと感じています。

私が個人で行っているBOOTHというサービスで通販を行っているのと、ボードゲームショップなどの量販店さんにも営業をご案内をしているので、仕入れていただいたところでは一般で購入できるような形になると思います。

新作2作ですね。『PAANNNIIICCC!!!』という作品と、共同で「オシオゲームズ」というサークルと出ているんですが新作の『御贄の村』がよく売れてますね。

僕は元々マーダーミステリーがすごく好きだったんですけれども、作品が増えていくと同じような舞台設定や同じような仕掛けのゲームがどうしても増えてくるんじゃないかなって思っているんです。なので、遊んだことのないようなゲームをマーダーミステリーで作りたいという気持ちがあって、一風変わった舞台やあんまり聞かないようなシステムを入れたりしています。初めてマーダーミステリーをやる人には推理要素以外の楽しみを知ってほしいし、慣れている人には斬新なルールに驚いてほしいなと思っています。

今、韓国版の『Motel Nobody』というゲームが発売したんですけど、僕たちがゲームマーケットなどでは出会わない人達にも遊んでもらいたいので、外国にゲームを紹介したり、公演型のゲームを作ったり、オンライン上で遊べるゲームを作ったりしたいですね。ゲームマーケットのお客さんだけでなくそれ以外のファンの皆さんに届く媒体でゲームを作っていきたいですね。

面白いゲームがあったら教えてください。面白いゲームは僕も遊びたいので。

△インタビューさせていただいた田中 佳祐氏

Mystery Knives のX(旧:Twitter) https://twitter.com/Mystery_Knives
Mystery Knives のホームぺージ  https://mystery-knives.webflow.io/


ようがくじ「不二の会」/ 向井 真人 氏

《紹介》
臨済宗 妙心寺派 長光山 陽岳寺 住職。YouTubeでの法話動画の制作、ボードゲーム制作、坐禅会・イベント開催など仏教に関する活動を行っている。

△当日のブースの様子

事前の盛り上がりがすごいなと思いました。春とか秋とか季節によって毎回盛り上がり具合は様々ですけど、今回は全体が1、2ケ月前から盛り上がっているし、両日出店しているんですけどどちらもお客さんがたくさんいらっしゃって混んでるなという感じですね。

元々、僕は人生ゲームくらいしか知らなかったんですけど、キリスト新聞社さんていう出版社さんが聖書のカードゲームを作っていらっしゃって、ゲームっていいなって思ったんですね。楽しみながら聖書の言葉が覚えられるし、僕はお坊さんなのに覚えられたので。じゃあ、仏教のボードゲームも出してるところあるだろうなと調べたらなかったんです。江戸時代前の『浄土双六』っていう歴史あるものも発見したので、現代のお坊さんの私が作ってもいいかなと思い作り始めました。

お坊さんなので皆さんに実際にマーダーをした人を担当してもらうというのはちょっと難しいかなと考えたんですね。なので、マーダーではなくマーラにしました。マーラというのは悪魔とか煩悩という意味なんです。

マーラミステリーはミステリーゲーム1本とお題がたくさん入っている協力数字当てゲームとの抱き合わせ商品なので長く遊ぶことが可能です。

今後はお寺での公演なども考えているので、お寺で皆さんに手を合わせていただく機会としてマーダーミステリーを遊んでいただきたいです。

ネット通販でも同様に販売しています。

高いところから大変恐縮なんですけれども、いろいろ文句言いたくなってしまうこともあると思うんですよ、遊んでいて。私も100作も遊んでいないですけど。それも、味なんだなと思って、受け止めていただくというのが「マダミス修行」と言っていいんじゃないかなと思います。

△インタビューさせていただいた向井 真人氏

ようがくじ「不二の会」 のX(旧:Twitter) https://twitter.com/puninokai
ようがくじ「不二の会」 のホームぺージ  https://puninokai.com/


さばいも
マダミス配信を視聴したことがきっかけにこの世界にやってきた。 身内ではGMをやることが多くPLはほとんどしない。 趣味でマダミス制作も行っている。

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